がん最前線

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免疫療法(1)

縮小より再発予防に期待 リンパ球元気にし体内へ
磨伊 正義
(伊藤病院・内視鏡センター長・副院長 金大名誉教授)
この連載で紹介すると問い合わせが多く寄せられる治療法の一つに免疫療法がある。どんな人ももともと持っている免疫力を高めてがん治療の効果を高めることを目指す免疫療法には、さまざまな種類があり、混乱している患者も多いためだろう。
科学的根拠のある信頼性の高い免疫療法として認められ始めた活性化自己リンパ球療法を金沢市の金沢聖霊総合病院で今年から取り入れ始めた土屋晴生医師に、免疫療法について話を聞いた。
<2種類の治療法>
免疫療法は大きく分けて2つの種類がある。1つは、がんワクチンなどの免疫反応を起こす物質を投与することで、がんを攻撃する免疫担当細胞を活性化する能動免疫療法。もう1つの受動免疫療法は、がんを攻撃するリンパ球などをいったん体外に取り出し、より活性化して体内に戻す方法である。 土屋医師が取り組んでいるのは、後者の受動免疫療法である。
リンパ球を体外に取り出し、元気づけて投与することで、がんを攻撃する免疫担当細胞の「中核部隊」であるT細胞を活性化し、がんへの攻撃を強化する。この療法は1980年代に米国で、LAK(リンフォカイン活性化キラーT細胞)を体内に戻すLAK療法から始まった。これは効果のわりには副作用が強く、普及しなかった。
<1000倍に増やす>
しかし国立がんセンターで培養方法に改良が加えられた。患者の血を50mL採り、その中のリンパ球を約半月かけて1千倍に増殖させて点滴する治療法が誕生したのだ。 これは、先天性免疫不全症の子供の難治性ウイルス感染症に劇的な効果をもたらした。こうした症例の治療経験を踏まえて、大量のリンパ球を一度だけ投与するLAK療法から、少量のリンパ球を何度も投与する方法に変わってきた。
活性化自己リンパ球療法のがん腫瘍を縮小する効果は、残念ながら低かったが、肝臓がんをはじめ、さまざまながんに応用され、症状の改善や生活の質の向上、延命効果などが実証されている。
次回は免疫療法の効果的な取り入れ方について紹介する。
北國新聞 2007.11.19 より

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活性化リンパ球療法によるがん治療
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